ADLの向上と在宅復帰

 ADLが向上すれば家に帰れるはずという医学モデル的思考に基づく在宅復帰支援の考え方が現実では全く通じないという問題点があります。それは老健などの施設で介護やリハビリに従事するものは誰もが経験することであり、ADLが向上しても帰れない人もいれば、ADLが向上しなくても帰れる人もいるという事実とその背景を在宅復帰を促進するためには真正面からとらえる必要はあるのです。

在宅復帰に関する問題点における最大の因子は家族の意向です。

そして、この家族の意向に大きな影響を与えているのは介護負担感であり、対象者が在宅復帰してくる意味に対する認識になります。在宅支援復帰とは家族に受け入れてみようかなと思ってもらうための支援であり、言い換えるなら受け入れに対して安心感を持ってもらえるようにするための支援をすることが解決につながります。
家族は本人が帰ってきた後の生活のイメージがつかないことに漠然と大きな不安を覚えていることが多いです。漠然としたものは怖いものであり、そこからは逃げたくもなり、向かい合いたくないという気持ちも生まれます。これが心理的な介護負担感に大きな影響を与えます。大事なのは、本人および家族の在宅復帰後の生活のイメージを具体化して家族に示すことです。しっかりイメージできれば不安感もなくなります。この役割を果たせるのがリハビリスタッフであり、在宅復帰事例集などを施設に用意しておき家族に診てもらうことも大事です。